概要
地方を拠点とするスポーツウェア専門店様に対し、越境ECのプロモーション戦略を抜本的に見直し、売上回復を支援した事例です。
同社は、自社で多言語対応のECサイトやSNSアカウントを構築し、グローバルに向けた運用を開始していました。
しかし、月商は20万円以下と低迷しており、十分な成果にはつながっていませんでした。
原因として、広告配信エリアが広すぎて予算が分散していたこと、自社ECでの販売が難しい中国市場へ無駄に注力していたこと、検索意図に合わせたリスティング広告が十分に展開できていなかったことが挙げられました。
そこで、広告配信エリアを自社商品と相性の良い2カ国に絞り込み、ブランドワードを中心とした購買意欲の高いユーザー向けのリスティング広告へ戦略を転換。
さらに、広告流入後のコンバージョン率を高めるため、自社ブランドの魅力を伝える専用ページのコンテンツも強化しました。
その結果、支援開始から6ヶ月で以前の月商の15倍を達成し、1年間では10倍以上の成長を実現しました。
支援前の課題
1. 多言語ECサイトはあるが、売上が伸びていなかった
同社はすでに多言語対応のECサイトやSNSアカウントを構築していました。
しかし、サイトやアカウントを用意しただけでは、売上にはつながりません。
実際には、月商20万円以下という低迷した状態が続いていました。
越境ECでは、サイトを多言語化するだけでなく、どの国の、どの顧客に、どのような訴求で届けるのかを設計する必要があります。
支援前は、その戦略設計が十分ではありませんでした。
2. プロモーション対象エリアが広すぎた
同社はグローバルに向けてプロモーションを行っていましたが、対象エリアが絞り込まれていませんでした。
複数国へ広く広告を配信すると、一見すると可能性が広がるように見えます。
しかし、限られた予算では、各国への配信量が薄くなり、十分な成果を出す前に費用が分散してしまいます。
特に中小規模の越境ECでは、最初から多くの国を狙うのではなく、勝ち筋のある国に集中することが重要です。
3. 中国市場への注力が成果につながっていなかった
同社は中国市場にも注力していましたが、自社ECサイトでの販売という観点では難易度が高い市場でした。
中国では、消費者が大手ECモールや現地プラットフォームを利用する傾向が強く、海外の自社ECサイトへ直接誘導して購入してもらうには高いハードルがあります。
そのため、中国市場に予算を投じても、費用対効果が合いにくい状態でした。
4. 検索意図に合った広告運用ができていなかった
支援前は、購買意欲の高いユーザーを効率的に獲得するためのリスティング広告が十分に設計されていませんでした。
スポーツウェアの越境ECでは、ブランド名や特定商品名で検索するユーザーは、すでに購入意欲が高い可能性があります。
こうしたユーザーを確実に獲得することが、売上改善の近道になります。
しかし、支援前は検索意図に合わせたキーワード設計や広告導線が弱く、機会損失が発生していました。
支援内容
1. 広告配信エリアを2カ国に集中
まず、広く浅く展開していた広告配信エリアを見直しました。
市場規模だけでなく、自社商品との相性、購入可能性、配送・決済の現実性、広告効率などを踏まえ、ポテンシャルの高い2カ国に絞り込みました。
これにより、限られた広告予算を分散させるのではなく、成果が出やすい国に集中投下できるようにしました。
2. ブランドワード中心のリスティング広告へ転換
次に、購買意欲の高いユーザーを確実に獲得するため、ブランドワードを中心としたリスティング広告へ戦略を切り替えました。
ブランド名や関連商品名で検索するユーザーは、すでに何らかの関心を持っている可能性が高く、一般的な認知広告よりも購入につながりやすい傾向があります。
そこで、検索意図を踏まえた広告文や遷移先を設計し、購買意欲の高い流入を逃さない運用へ改善しました。
3. 自社ブランドの魅力を伝える専用ページを強化
広告流入後のコンバージョン率を高めるため、自社ブランドの魅力を伝える専用ページのコンテンツを強化しました。
越境ECでは、海外ユーザーが初めてブランドを知るケースも多いため、単に商品を並べるだけでは不十分です。
以下のような情報を強化することで、購入前の不安を解消しました。
- ブランドの特徴
- 商品のこだわり
- サイズ感や素材情報
- 海外配送に関する安心感
- 購入者にとってのメリット
- ブランドを選ぶ理由
これにより、広告から流入したユーザーが購入に進みやすい状態を整えました。
4. 広告運用とサイト改善を連動
今回の支援では、広告運用だけでなく、流入後の受け皿改善も同時に行いました。
広告でどれだけ質の高いユーザーを集めても、遷移先のページで魅力が伝わらなければ購入にはつながりません。
そこで、広告の反応を見ながら、専用ページの内容や導線も改善し、集客とコンバージョンの両面から売上向上を図りました。
成果
1. 支援開始6ヶ月で月商15倍を達成
ターゲット国と広告キーワードを絞り込んだ結果、支援開始から6ヶ月で以前の月商の15倍を達成しました。
月商20万円以下に低迷していた状態から、大きく売上を伸ばすことに成功しました。
2. 1年間で10倍以上の売上成長を実現
短期的な売上改善だけでなく、1年間で見ても10倍以上の成長を実現しました。
これは、一時的な広告効果だけではなく、エリア選定、キーワード戦略、サイト改善が組み合わさったことで、継続的に成果を出せる状態になったことを意味します。
3. 無駄な配信を減らし、広告効率を改善
配信エリアを絞り込み、購買意欲の高いキーワードに集中したことで、広告費の無駄を削減できました。
これにより、限られた予算でも売上につながるユーザーへ効率的にアプローチできるようになりました。
成功のポイント
今回の成功要因は、グローバル展開を広げるのではなく、あえて絞り込んだことです。
越境ECでは、多くの国に展開することが正解とは限りません。
特に予算や運用リソースが限られている場合は、勝ち筋のある国とキーワードに集中することが重要です。
本事例では、配信エリアを2カ国に絞り、ブランドワード中心の広告へ切り替え、さらに受け皿となる専用ページを強化したことで、売上のV字回復につながりました。
まとめ
本事例では、月商20万円以下に低迷していたスポーツウェア専門店様に対し、越境ECプロモーション戦略の見直しを支援しました。
広告配信エリアを2カ国に集中し、購買意欲の高いブランドワード中心のリスティング広告へ転換。
さらに、自社ブランドの魅力を伝える専用ページを強化したことで、支援開始から6ヶ月で月商15倍を達成しました。
越境ECでは、広く展開するよりも、勝ち筋のある市場とキーワードへ集中することが成果につながることを示す事例です。

