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越境ECは、会社を作っていない個人でも、副業として始められます。 BASEやeBay、Shopeeを使えば、数万円規模の資金からでも自分の商品を海外の消費者に届けられます。会社員が週末だけ運営していたり、主婦がすきま時間で出品していたりする例は、もう珍しくありません。
「本業以外の収入源がほしい」「円安の今なら、日本の商品が海外で売れるのでは」——検索でここにたどり着いた方の多くは、そんな動機を抱えているはずです。正直に言うと、JUTOUは普段、法人化した企業の海外展開を支援する会社です。個人の副業データを大量に持っているわけではありません。だからこそこの記事では、JUTOUの主観ではなく公的データと第三者調査を軸に、期待値を上げすぎない現実的な情報を整理します。
この記事を読むとわかること
- 個人・副業でも越境ECが始められる範囲と、法人と同じ水準の対応が必要な部分
- 副業としての収益の現実(月30万円以上稼ぐ人は何割か)
- 個人が越境ECを始める5つのステップ
- モール型・自社EC型それぞれのプラットフォームの選び方
- 在庫を持つかどうかで変わる必要資金の目安
- 個人ならではのリスクと、副業の確定申告・税金の基本
- どのタイミングで法人化を検討すべきか
2024年、中国の消費者は日本の事業者から2兆6,372億円(前年比+8.5%)、米国の消費者は日本の事業者から1兆5,978億円(同+8.0%)を購入しています(出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」2025年8月公表)。この市場を作っているのは大企業だけではありません。すでに法人としての本格展開を視野に入れている方は、資金規模・体制・税務の違いを整理した記事もあわせてご覧ください。
関連記事: 越境ECの基礎から知りたい方は→「越境ECとは?」 関連記事: 法人としての本格展開を考えている方は→「越境ECの始め方完全ガイド|5ステップ」 関連記事: 参入前にリスクを整理したい方は→「越境ECのメリット・デメリット」

越境ECは個人・副業でも始められる?在宅でできることとできないこと
越境ECは個人・副業でも始められます。BASE・eBay・Shopeeなどを使えば、法人登記なしで海外の消費者に販売できます。ただし国際配送・多言語対応・代金回収は、個人でも法人と同じ水準の実務が必要です。
「越境EC」には、実は2つの向きがあります。海外の消費者に自分の商品を売る個人輸出と、海外の商品を仕入れて日本国内で販売する仕入れ・輸入ビジネスです。なお税関上の「個人輸入」は本来、自分で使う目的で海外から商品を購入する行為を指す用語で、販売目的の仕入れ(商業輸入)とは区別されます。この記事で中心に扱うのは前者、個人輸出のほうです(越境ECとは何か、基礎から知りたい方はこちら)。
個人でもできることは、思っている以上に多くあります。
- 個人事業主のまま、あるいは本人確認書類の提出だけでモール出店できる(eBay・Shopee・Etsyなど)
- BASEのようなサービスなら、開設費・月額費用0円で自社ECを持てる(2026年時点の同社スタンダードプラン。最新条件は公式サイトで要確認)
- PayPalなど多通貨決済を使えば、法人の銀行口座がなくても海外からの入金を受けられる
一方で、法人と同じ水準の対応が必要な部分もあります。国際配送の実務、販売国での商標・規制の確認、そして税務申告です。SNSやQ&Aサイトでは「いきなり会社を作らないとダメですか」という疑問をよく見かけますが、答えは「作らなくても始められるが、確認すべきことは法人とほぼ変わらない」です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 個人のままでできること | モール出店、無料〜低コストの自社EC開設、多通貨決済の利用 |
| 法人と同じ水準の対応が必要なこと | 販売国の商標・規制確認、国際配送の実務、確定申告・税務対応(詳しくは後述) |
見落とされがちなのが、出店審査です。モールによっては本人確認書類の提出や、銀行口座・クレジットカード情報の登録を求められます。事業内容の説明を英語で書く欄がある場合もあり、この初期ハードルで挫折する人も一定数います。
もう1つ、会社員として始める場合ならではの論点が、勤務先の就業規則です。副業を全面禁止している企業は減っていますが、届出制・許可制を敷いている会社は今も多く、無届けのまま始めるとトラブルの原因になります。始める前に就業規則を確認するか、必要なら人事担当者に一言伝えておくと安心です。
越境ECの副業は本当に稼げる?収入の現実
正しく取り組めば副業でも収入は得られますが、簡単ではありません。ある調査では主婦セラーの20.8%が月商30万円以上に達する一方、約4割は月10万円未満にとどまっています。時間を投じた人ほど成果が出やすい傾向がうかがえます。
数字で見てみます。Shopee Japanが依頼し2025年5月に実施された主婦セラー向け調査(n=101、IDEATECH運営のリサーチメディア「リサピー®」、PR TIMES配信)では、月商30万円以上のセラーが20.8%、うち月商100万円以上が5.0%でした。残りの約4割は月商10万円未満です。
地味だけれど、正直な数字です。
この調査でもう1つ興味深いのは、販売先の国です。「越境EC」と聞くと欧米向けを想像しがちですが、この調査では台湾が32.7%、シンガポールが29.7%と、アジア圏が主戦場でした。距離が近く配送コストと納期で有利なこと、日本製品への親近感が強いことが背景にあるのでしょう。英語力が必須というわけでもなさそうです。
驚いたのは、月商が高いセラーほど週20時間以上を投じている割合が高かったことです。副業といっても、片手間の数時間で月30万円に届くケースは多くありません。
正直なところ、JUTOUは法人向けの支援が中心のため、個人の副業収益について自社データを持っているわけではありません。だからこそ、この数字は「第三者調査の結果」として受け止め、自分の生活時間とどう折り合いをつけるかを先に考えることをおすすめします。稼げるかどうかより先に、週に何時間使えるかを決めておいたほうが、あとあとの期待値のズレが少なくて済みます。副業の収益がどこまで越境ECのメリットとして成立するかは、越境ECのメリット・デメリット・リスクの解説記事にも整理があります。

個人が越境ECを始める5ステップ
個人の越境ECは、①何を売るか決める→②販売国とプラットフォームを選ぶ→③在庫・仕入れ・発送を決める→④決済・言語・出品ページを整える→⑤集客して改善する、の5ステップで進みます。
多くの解説記事は「まず市場調査から」と書きます。JUTOUが法人支援で最優先にしているのは、実は商標と規制の確認です(始め方の詳細は法人向けガイドで解説)。個人でもこの順番の考え方は変わりません。売る前に一度立ち止まって確認する癖をつけておくと、あとで痛い目を見にくくなります。
ステップ1 何を売るか決める
一般的に越境ECで動きやすいとされるのは、日用消耗品・コスメ・キャラクターグッズ・食品・アパレル周辺です。ただし化粧品や食品は国によって成分規制が異なり、個人が知らずに違反するケースもあります。医薬品的な効能をうたう表現も、国によっては広告規制の対象です。売る前に、対象国の規制と、自分が使おうとしている商標が現地ですでに登録されていないかを確認してください。
ステップ2 販売する国とプラットフォームを選ぶ
先ほどの調査が示すとおり、個人セラーの主戦場は台湾・シンガポールをはじめとするアジア圏です。プラットフォームの選び方は、次の章で詳しく解説します。
ステップ3 在庫・仕入れ・発送を決める
在庫を持たない「無在庫」(受注後に仕入れる方式)と、あらかじめ仕入れておく「有在庫」があります。ただし無在庫販売の可否は各モールの規約によって異なります。eBayは他の小売店からの直送・仕入れ(いわゆるドロップシッピング)に制限を設けており、Amazonなど他のモールでも同種の制限があります。出店を検討しているモールの規約は、事前に必ず確認してください。また無在庫であっても、注文が入ってから商品代金や送料を立て替える資金は必要です。中国から仕入れる場合は、タオバオや1688の仕入れ代行サービスがよく使われます。
1点だけ注意点があります。リチウム電池を内蔵した製品——モバイルバッテリーや一部の美容家電など——は、国際郵便で1通に入れられる個数に制限があり、対応可否は配送方法によって変わります。仕入れる前に発送手段を確認しておくと、在庫を抱えてから「送れない」と気づく事態を避けられます。
ステップ4 決済・言語・出品ページを整える
PayPalなど多通貨決済を導入し、出品ページは機械翻訳のあとに必ず現地語の見直しを入れてください。商品写真は、越境ECでは特に重要度が上がります。現地の生活シーンが想像できる写真のほうが、日本国内向けの商品画像より反応が良い傾向があります。写真1枚で反応が変わる。越境ECでは特にそうです。
ステップ5 集客して改善する
SNSでの認知づくりとレビューの蓄積が、個人セラーの実質的な集客手段になります。価格・写真・説明文を少しずつ変えながら、反応を見て改善するサイクルを回してください。レビューは初期の数件が特に効くので、発送直後のタイミングで丁寧なフォローメッセージを送る運用が定着している個人セラーは多いです。

個人におすすめの越境ECプラットフォームは?モール型と自社EC型
個人はモール型(eBay・Shopee・Etsy・Amazon)と自社EC型(BASE・Shopifyなど)から選びます。需要が読めないうちはモールで販売テストし、売れ筋が見えてから自社ECへ投資するのが、小資本の定石です。
| 区分 | 主なサービス | 初期費用 | 月額・手数料の目安 | 個人での始めやすさ |
|---|---|---|---|---|
| モール型 | eBay/Shopee/Etsy/Amazon(Global Selling) | 出店料無料〜数千円 | 販売時手数料が都度発生 | ◎ すぐに出品でき、モール側の来訪者に集客を頼れる |
| 自社EC型 | BASE | 0円 | 決済手数料に加え、売上に対するサービス利用料3%が別途発生(2026年時点のスタンダードプラン) | ◎ 無料で開設でき、SNS連携がしやすい |
| 自社EC型 | Shopify | 0円 | ベーシックプラン月額4,850円〜(年間契約なら月換算3,650円〜、2026年時点) | ○ 多言語・多通貨機能は強いが、ある程度売れてから向く |
※料金・プラン内容は変動するため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
Etsyはハンドメイド・ヴィンテージ・クラフト系との相性が良く、個人セラーの比率が他モールより高いのが特徴です。Amazonのグローバルセリングは集客力が大きい半面、審査や規約が厳しめで、個人が最初に選ぶには少しハードルが高いかもしれません。
私たちがよく見かける失敗パターンがあります。「とりあえず知名度のあるプラットフォームで本格的に始めたら、誰も来なかった」というものです。集客はモール任せにできない。自社EC最大の壁です。SNSのフォロワーや既存の顧客リストがないうちにShopifyへ全力投資するのは、正直あまりおすすめできません。
モール型は出品するだけである程度の露出が期待できる一方、手数料は都度発生します。まずモールで反応を見て、売れ筋商品と価格帯が見えてから自社ECへ広げる——この順番のほうが、個人の資金体力に合っています。
より詳しい手数料シミュレーションや商材別のプラットフォーム選定基準は、越境EC構築のプラットフォーム比較で解説しています。本格的に売上を伸ばしたい段階になったら、あわせて読んでみてください。
個人が越境ECを始めるのに必要な資金はいくら?
無在庫やモール出店なら月数千円〜数万円から始められます。在庫を持つ物販型は初期60万円前後〜が目安になるケースもあります。在庫を持つかどうかで、必要資金は大きく変わります。
| タイプ | 初期費用の目安 | 主な内訳 |
|---|---|---|
| 無在庫(受注後仕入れ・輸入代行活用) | 月数千円〜 | プラットフォーム利用料・決済手数料が中心 |
| モール出店(少量在庫でテスト) | 数万円〜 | サンプル仕入れ+出品手数料 |
| 物販・在庫型(自社EC中心) | 初期60万円前後〜 | 在庫仕入れ・撮影・翻訳・広告費 |
個人の実践者がnoteで公開している体験談の中には、在庫を50万〜200万円分ほど抱え、初期投資が60万〜245万円になったという例もあります。ただしこれは1個人の体験談であり、業界平均を示すものではありません。参考程度にとどめてください。
もう1つ見落とされがちなのが、初期費用と運転資金の違いです。開設費が0円でも、売れてから次の仕入れをするまでの「つなぎ資金」は別途必要になります。まず低コストの構成で試し、売れ筋が見えてから在庫投資を増やす——これが資金体力の小さい個人にとって現実的な順番です。逆に、最初にまとまった在庫を仕入れてから売り方を考えるのは、そのぶんリスクが高くなります。
個人ならではの視点として、少量販売でも採算が合うかどうかの見極めも欠かせません。仕入れ値・国際送料・決済手数料・プラットフォーム利用料を差し引いた粗利が、月に数千円〜数万円という小さな販売量でもプラスになるか。始める前に一度、電卓を叩いて確認しておくと、「売れているのに手元にお金が残らない」という事態を避けやすくなります。

個人ならではの越境ECのリスクは?よくあるつまずき
個人の越境ECで最も多い課題は国際配送の手続き・費用(調査で61.4%)、次いで為替変動(50.0%)、返品・クレーム対応(41.4%)です。在庫・決済・物流・知財の4つを、小さく始めて検証しながら潰すのが安全です。
先ほどの主婦セラー調査(2025年5月、n=101)では、つまずいた経験のトップ3が明確でした。
| リスク分類 | つまずいた割合 | 主な対策 |
|---|---|---|
| 国際配送 | 61.4% | 発送方法・関税ルールを出品前に必ず確認する |
| 為替変動 | 50.0% | 価格改定のルールをあらかじめ自分で決めておく |
| 返品・クレーム | 41.4% | 返品ポリシーを出品ページに明記しておく |
梱包、書類、関税——想像以上に手間がかかります。「梱包から関税書類まで全部自分でやると、想像以上に時間を取られた」という感想は、副業として越境ECに取り組む人のブログやSNSで繰り返し語られています。国際配送は、金額よりも手間の面でつまずく人が多い印象です。
この調査には出てきませんが、JUTOUが法人の海外展開を支援する中でもよく見る落とし穴があります。商標・知的財産まわりです。個人の副業では見落とされがちですが、販売国ですでに似た商標が登録されていると、出品停止や警告を受けることがあります。「石橋を叩いて渡る」くらいの慎重さが、実はちょうどいいのかもしれません。売る前の数十分の確認で防げるトラブルなので、後回しにしないことをおすすめします。
副業の越境ECは確定申告が必要?税金の基本
副業の所得(売上-経費)が年20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。確定申告をすれば住民税の申告は通常別途不要ですが、20万円以下で確定申告をしない場合は住民税の申告が原則必要です。ここでは一般的な整理にとどめます。個別の判断は税理士にご確認ください。
税金の話は、越境ECに限らず副業全般に共通するルールが土台になります。ここから先は一般的な情報提供であり、個別の税務相談ではありません。制度は変わる可能性があるため、最新の情報は必ず国税庁のウェブサイトや税理士に確認してください。
所得20万円ルールと住民税
会社員が副業で得た所得(雑所得または事業所得)が年間20万円を超える場合、所得税の確定申告が必要になります。基準になるのは「売上」ではなく、経費を差し引いたあとの「所得」です。商品の仕入れ費用や国際送料、プラットフォームの利用手数料などは、一般的に経費として認められる代表例です。ただし按分の考え方は個別事情によって異なるため、断定は避けます。
ここで見落とされがちなのが住民税です。所得税の確定申告をした場合、その内容は税務署から自治体に共有されるため、住民税の申告を別途行う必要は通常ありません。一方、所得税には「20万円以下なら申告不要」という特例がありますが、住民税にはこの特例に対応する規定がなく、所得税の確定申告をしない20万円以下のケースでは、住民税の申告が原則として必要になります。「20万円以下だから何も申告しなくていい」という理解は、正確ではありません。この整理はあくまで一般的な制度理解です。最終的な判断は、税理士や税務署に確認してください。
開業届・青色申告は出すべきか
継続的に事業として取り組むつもりなら、開業届を出して青色申告を選ぶことで、税制上の優遇を受けられる場合があります。一方、あくまで一時的な副業として続けるなら、雑所得のまま様子を見る選択肢もあります。どちらが有利かは所得水準や経費の状況によって変わるため、この記事で一律の答えは出せません。判断に迷う場合は、税理士への相談をおすすめします。
消費税の輸出免税、個人事業主はどう考える
越境ECは商品を海外に送る取引にあたるため、消費税の扱いが国内取引とは異なります。要件を満たせば輸出免税の対象になる制度がありますが、免税事業者か課税事業者かによっても扱いが変わり、判定には専門的な確認が必要です。断定的な説明はできません。消費税についても、最新の要件は国税庁の情報や税理士への相談で確認してください。
「会社にバレるのでは」という不安への対処
副業をしていることが本業の勤務先に伝わる主な経路は、住民税の金額から人事担当者が気づくケースです。確定申告の際に、住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に選べる場合があり、これを選ぶと発覚のリスクは下がります。ただし、これは発覚を完全に防ぐ保証ではありません。自治体によっては給与分と合算した通知が残っていたり、住民税以外の経路で気づかれたりするケースもあります。実際の運用は、お住まいの市区町村への確認をおすすめします。

いつ個人から法人化を考えるべき?3つのサイン
①所得が増えて法人化のほうが節税になる、②在庫や仕入れの規模が大きくなる、③取引先や与信で法人格を求められる——この3つが法人化を検討する目安です。まず個人で小さく試し、手応えが出てから法人化を考える順序が失敗が少ないです。
法人化すると何が変わるのか、先に整理しておきます。個人事業主のまま事業を続ける場合、万が一の負債や損失は個人の全財産で負うことになります(無限責任)。株式会社等を設立すると、出資者の責任は原則として出資額の範囲にとどまる有限責任に変わります。ただし金融機関からの借入では代表者に経営者保証(個人保証)を求められることが多く、この場合は法人化後も代表者個人の責任が実質的に残ります。社会的信用が上がって取引先の開拓や銀行融資がしやすくなる一方、税務処理や社会保険の手続きは個人事業より複雑になります。メリットとコストは表裏一体です。
JUTOUが150社超の海外展開を法人として支援してきた中で、印象に残っている傾向が1つあります。個人・副業のフェーズを一度経てから法人化した企業は、市場選定や商品構成について自分たちなりの仮説を持って相談に来られることが多い、という点です。これは件数を揃えた比較調査の結果ではなく、あくまで支援現場での実感です。
一方で、正直に言うと、逆のパターンも見てきました。個人のまま規模だけを大きくしてしまい、在庫管理や税務処理が追いつかなくなって、法人化のタイミングを逃してしまった相談も少なくありません。
法人化を検討する目安は、次の3つです。
- 所得が増え、法人化したほうが税負担で有利になる水準に達したとき(損益分岐点は所得水準や経費構成で変わるため、税理士へのシミュレーション依頼をおすすめします)
- 在庫・仕入れの規模が、個人の資金繰りでは追いつかなくなってきたとき
- 取引先や卸先が、法人格や与信情報を取引条件として求めてきたとき
「一人で仕入れも発送も翻訳もカスタマー対応も抱えていると、どこかで破綻する」——副業から事業を広げたセラーのブログでは、こうした振り返りをよく見かけます。1人で回せる業務量には、どうしても上限があります。
まず個人で小さく試し、①〜③のいずれかに当てはまり始めたら法人化を検討する。先に法人化してから軌道修正するより、個人の段階で仮説を検証してから法人化するほうが、結果的に手戻りが少なくなります。法人化後の市場選定・体制構築、税理士と連携した税務対応の進め方は、越境ECの始め方完全ガイドで詳しく解説しています。

個人の越境ECに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 越境ECは個人でも始められますか?
はい、可能です。BASEやeBay、Shopeeなどを使えば法人登記なしで海外に販売できます。ただし商標確認・決済対応・税務申告は、法人と同じ水準で必要になります。
Q2. 越境ECは副業で稼げますか?
正しく取り組めば稼げますが、簡単ではありません。ある調査では主婦セラーの20.8%が月商30万円以上、一方で約4割が月10万円未満という結果でした(2025年5月、n=101調査)。
Q3. 越境ECは個人でいくらから始められますか?
無在庫やモール出店なら月数千円〜数万円から始められます。在庫を持つ物販型は初期60万円前後〜が目安になるケースもあります。在庫の有無で必要資金は大きく変わります。
Q4. 越境ECの副業で確定申告は必要ですか?
所得(売上から経費を引いた額)が年20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。確定申告をすれば住民税の申告は通常別途不要ですが、20万円以下で確定申告をしない場合は住民税の申告が原則必要になります。個別の判断は税理士にご確認ください。
Q5. 越境ECの副業は会社にバレますか?
住民税の金額の変化で気づかれる場合があります。確定申告時に住民税の徴収方法を「自分で納付」に選べる場合があり、これを選ぶと発覚のリスクは下がりますが、完全に防げる保証ではありません。扱いは自治体の運用によって異なることがあります。
Q6. 個人の越境ECは何を売ればいいですか?
日用消耗品・コスメ・キャラクターグッズ・食品・アパレル周辺が動きやすいとされています。ただし化粧品や食品は国によって規制が異なるため、販売前の確認が欠かせません。
Q7. 個人輸出と個人輸入の違いは何ですか?
個人輸出は海外の消費者へ商品を販売することです。一方、税関上の「個人輸入」は自分で使う目的で海外から商品を購入する行為を指し、販売目的の仕入れ(商業輸入)とは区別されます。この記事では前者の個人輸出を中心に解説しています。
Q8. 中国向けの越境ECは個人でもできますか?
可能ですが、販売方式・出店資格・商品規制によって可否が異なります。仕入れにはタオバオや1688の仕入れ代行サービスがよく使われますが、これは販売目的の仕入れであり、税関上の「個人輸入」(自己使用目的)とは別物です。販売にあたっては、対象国の規制・商標の事前確認が前提になります。
Q9. 個人で越境ECを始めるおすすめのプラットフォームは?
需要が読めないうちはeBayやShopeeなどのモール型でテストし、売れ筋が見えたらBASEやShopifyの自社EC型へ広げる進め方が、小資本の定石です。
Q10. 個人の越境ECで多いトラブルは何ですか?
調査では国際配送の手続き・費用(61.4%)、為替変動(50.0%)、返品・クレーム対応(41.4%)の順に多いという結果でした。
Q11. 越境ECは個人事業主として開業届を出すべきですか?
継続的に事業として取り組むなら、開業届を出し青色申告を選ぶことで税制優遇を受けられる場合があります。一時的な副業なら雑所得のままという選択肢もあり、判断は税理士への相談をおすすめします。
Q12. いつ法人化すべきですか?
所得増で法人化が節税につながる水準に達したとき、在庫・仕入れ規模が大きくなったとき、取引先が法人格を求めてきたとき——この3つが目安です。
まとめ|まず個人で小さく試し、法人化は3つのサインで判断する
越境ECは個人・副業でも始められますが、国際配送・商標・税務の確認は法人と同じ水準で必要です。まずは小さく試し、所得・在庫規模・取引先の要請という3つのサインが出てきたら法人化を検討してください。
ここまで、個人・副業として越境ECを始める方法を、収益の現実・5つのステップ・プラットフォーム選び・必要資金・リスク・税務・法人化の見極めという順番で解説してきました。
まずはご自身で小さく試すのが一番です。 モール出店なら数万円から、無在庫なら月数千円からでも検証を始められます。稼げるかどうかは、正直やってみないとわからない部分が大きいです。ただし、国際配送・商標・税務の3点だけは、始める前に必ず確認してください。
そのうえで、売上が育ち、所得・在庫規模・取引先からの要請のいずれかが法人化のサインに触れる段階になったら、JUTOU株式会社を選択肢の1つに入れていただく価値があります。
JUTOUの3つの強み
- 中国・東南アジア・欧米市場を中心に、累計150社超の法人の海外展開を支援してきた実績
- 個人・副業から法人化した直後の「体制構築」フェーズ——市場選定・物流・決済の実務設計から、税理士など専門家と連携した税務体制の整備まで、一気通貫での伴走に強み
- 誇張しない、現実的な数値に基づいた提案(この記事自体が、その姿勢の表れです)
▶ 30分の無料相談で確認できること
- 自分の商材・販売国候補が、法人化に見合う規模になっているかどうか
- 個人のままで続けるか、法人化するかの判断材料
- 法人化した場合の市場選定・体制構築の進め方の全体像
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本記事について
- 著者: 辻雄多郎(JUTOU株式会社 代表取締役)
- 公開日: 2026-09-23
- 最終更新: 2026-09-23
- 情報出典: 経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」、Shopee Japan依頼・リサピー®調査(2025年5月、n=101、PR TIMES配信)、国税庁の確定申告に関する案内および地方税法の一般的な整理、各プラットフォーム公式サイト。一次ソースを優先して構成しています
- 本記事の税務・料金に関する情報は2026年9月時点の一般的な整理です。制度・料金体系は変更される場合があるため、最新情報は国税庁・各社公式サイト・税理士にご確認ください
- 本記事はJUTOU株式会社が自社サイトのために制作したものであり、特定サービスの提供を条件とした対価は発生していません