越境EC構築のプラットフォーム比較|150社支援のプロが教えるモール型・自社型の選び方【2026年版】

この記事は約21分で読めます。

越境ECを構築するときに必ず直面するのが、モール型・自社EC型・ハイブリッド型のどれを軸にするかという壁です。 商材・国・手数料・運用リソースの4軸で「自社の勝ち筋」から逆算すれば、この選択で迷うことはなくなります。

「とりあえず知名度のあるモールに出店すれば、あとは売れるだろう」——実はこの発想のまま出店し、半年後に在庫と広告費だけが残った企業を、私たちは何社も見てきました。プラットフォーム選びは、集客力の大きさだけで決めるものではありません。

この記事を読むとわかること

  • モール型・自社EC型・ハイブリッド型、3類型の違いと向き不向き
  • Tmall Global・Amazon・Shopeeなど主要モールの手数料と特徴(国・地域別)
  • Shopify・BASEなど自社EC構築プラットフォームの比較と「集客の壁」
  • 粗利率別に見た、モール型と自社型の実損益・回収シミュレーション
  • 化粧品・食品・アパレルなど商材カテゴリ別の最適プラットフォーム

2024年、中国の消費者は日本の事業者から2兆6,372億円(前年比+8.5%)、米国の消費者は日本の事業者から1兆5,978億円(同+8.0%)を購入しています(出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」2025年8月公表。詳しい市場規模データはこちら)。JUTOUは特定のプラットフォームを自社運営しない中立の立場で、累計150社超の海外展開を支援してきました。本記事は、その現場で積み上げてきた判断軸をまとめたものです。

関連記事: 越境ECの始め方を先に知りたい方は→「越境ECの始め方完全ガイド|5ステップ」 関連記事: 越境ECの基礎から知りたい方は→「越境ECとは?」 関連記事: 参入すべきか迷っている方は→「越境ECのメリット・デメリット」

モール型・自社EC型・ハイブリッド型を4つの判断軸で比較した図
モール型・自社EC型・ハイブリッド型を、4つの判断軸で比較

越境ECプラットフォームとは?モール型・自社EC型・ハイブリッド型の違い

越境ECプラットフォームは、海外モールに出店する「モール型」、自社サイトを構える「自社EC型」、両者を併用する「ハイブリッド型」の3類型です。集客力を借りるか、ブランドを自前で育てるか——この選択が、その後の手数料構造と集客コストを大きく左右します。

越境ECを構築するときの最初の一歩は、実はドメイン取得でも商品登録でもありません。この3類型のどれを軸にするかを決めることです。

モール型は、Tmall Global・Amazon・Shopee・Lazadaのような、既に現地の消費者が集まっているプラットフォームに出店する方式です。集客力を借りられる分、販売手数料や出店料というコストを継続的に支払うことになります。

自社EC型は、ShopifyやBASEのようなカートシステムで自社サイトを構築し、広告やSNSで自分で集客する方式です。ブランドの世界観を自由に表現でき、顧客データも自社で保有できる——これが自社型ならではの強み。ただし、集客はゼロからの積み上げになります。

ハイブリッド型は、両者を併用します。モールで需要を検証しながら新規顧客を獲得し、自社ECでリピーターを育てる——この順番で使い分ける企業が一般的です。

当社の支援先でも、最初の越境ECはモール型から始め、売れ筋と顧客層が見えてきた段階で自社ECを立ち上げるケースが多く見られます。いきなり自社ECだけで勝負するのは、よほどブランド力に自信がある場合を除いて、遠回りになりやすいというのが実感です。

項目 モール型 自社EC型 ハイブリッド型
初期費用 低い(数万〜数十万円) 中〜高い(数十万〜200万円程度) 高い(両方に投資)
継続コスト 出店料+販売手数料8〜20%程度 月額数千〜数万円+決済手数料数% 両方が発生
集客力 モールの既存トラフィックを借りられる ゼロから自分で作る必要がある モールで獲得し自社で育成
カスタマイズ性 低い(モールの規格に従う) 高い(デザイン・体験を自由設計) 高い(自社側で調整可能)
ブランド構築 しにくい(モールの顧客という扱い) しやすい(自社の顧客データを保有) 両方の強みを活かせる
向いている企業 越境EC初参入、認知度がまだ低い企業 ブランド力があり、リピート重視の企業 中長期で市場を育てたい企業

越境ECプラットフォームの選び方|失敗しない5つの判断軸

プラットフォームは「集客力」だけで選ぶと失敗します。①商材との相性②ターゲット国の決済・物流適合③集客を借りるか自前か④手数料と”継続的な値上げ”を含む長期採算⑤自社の運用リソースの5軸で、自社の勝ち筋から逆算して選びます。

一つずつ見ていきます。

①商材との相性。化粧品は、跨境EC(越境EC)の枠組みを使い条件を満たせば、通常の輸入化粧品で必要になるNMPA(国家薬品監督管理局)登録が不要になるケースがあります(詳しくは後述の「商材カテゴリ別」の章で解説します)。アパレルは返品率が高くなりやすく、ビジュアル訴求力のあるモールとの相性が問われます。食品は賞味期限と検疫対応が選定を左右します。当社の支援先でも、化粧品ブランドがまず商材の性質を整理してからプラットフォームを選び直した結果、狙う国とモールが大きく変わったという例は珍しくありません。

②ターゲット国の決済・物流適合。中国はAlipayやWeChat Payなど現地決済への対応が前提で、保税区出荷モデルを使えるかどうかで物流コストが変わります。東南アジアは代金引換の比率が地域によって高く、欧米はクレジットカード決済と厳格な返品ポリシーが標準です。決済方法が現地の主流と合わないと、カートに商品を入れた段階での離脱が目立って増えるという声も少なくありません。

③集客を借りるか自前か。モールなら初日から検索・レコメンド経由の流入が見込めます。自社ECは、広告予算とSNS運用体制がなければ、サイトを作っただけで終わります。

④手数料と”継続的な値上げ”を含む長期採算。ここが見落とされがちなポイントです。Shopeeは2026年2月の手数料改定で、シンガポールの販売手数料を13.75%から15.75%へ、マレーシアを17.01%から19.17%へ、フィリピンを8.46%から9.58%へとそれぞれ引き上げました(出典:GMO GlobalEC、2026年9月時点の情報)。出店した時点の手数料だけで3年後の採算を語るのは危険です。

⑤自社の運用リソース。モール運用・多言語対応・広告運用まで自社でできる体制があるか、それとも代行に任せるべきか。リソースが足りない場合の選択肢は、越境EC運営代行おすすめ20選比較で詳しく比較しています。

この5軸を、以下の自己診断フローで順番に確認してみてください。

診断ステップ 問い Yesの場合 Noの場合
Step1 商材はブランド世界観・価格の高さで勝負するタイプか 自社EC型を軸に検討 モール型が有利な可能性が高い
Step2 ターゲット国の決済・物流に個別対応する体力があるか 自社型でも対応しやすい モールのインフラに乗るのが無難
Step3 集客の予算と運用時間を十分に割けるか 自社型でブランドを育てる余地あり モールでまず売上実績を作る
Step4 手数料の”今後の値上げ”まで含めて3年試算したか 「実損益シミュレーション」で当月の採算は確認済み(値上げリスクは別途3年単位で考慮) 先に「実損益シミュレーション」の章で確認する
Step5 運用は自社で回せるか 本記事のPF比較で選定に進む 代行の活用を検討する
越境ECプラットフォームを選定する5ステップのフロー図
商材から運用体制まで、プラットフォームを選ぶ5ステップ

【モール型】主要な越境ECモールを国・地域別に比較

主要な越境ECモールは、中国のTmall Global・JD Worldwide、米国・欧州のAmazon・eBay、東南アジアのShopee・Lazadaが軸です。中国モールは保証金が高い一方でブランド信頼を得やすく、東南アジアは低コストで始めやすい反面、手数料が上がり続けている点に注意が必要です。

中国向け:Tmall Global・JD Worldwide・RED

Tmall Global(天猫国際)は、出店代行各社の公開情報によると保証金がおおむね2万5千米ドル程度、年会費が5千〜1万米ドル程度とされています。ただし、これらは一次情報ではなく代行各社の案内にもとづく参考値です。2026年9月時点の情報として、実際に出店を検討する際は必ずアリババ側または正規代理店に最新条件を確認してください。

JD Worldwide(京東国際)は、物流品質を重視するユーザー層に強みを持つモールで、出店条件は個別審査が中心です。考拉海购(Kaola)のような輸入特化型のプラットフォームも存在しますが、規模や条件は変動が大きいため、検討時点での最新情報の確認が欠かせません。

RED(小紅書)は、コンテンツ経由でそのまま購入につながるEC機能の強化を続けています。KOL(Key Opinion Leader)・インフルエンサー活用も含めた集客の詳細は、中国SNS6プラットフォーム比較ガイドで解説しています。

米国・欧州向け:Amazon・eBay・Walmart Marketplace

Amazon(米国・大口出品プラン)は月額39.99米ドルで、カテゴリー別の販売手数料はおおむね8〜15%が目安です(出典:ECメディア「Monex ECカタログ」2026年9月時点の情報。最新の料金は公式サイトでご確認ください)。eBayは個人・小規模事業者でも出品しやすい仕組みが特徴で、中古品・コレクター品にも強みがあります。Walmart Marketplaceは審査制のマーケットプレイスで、米国内でAmazonに次ぐ選択肢として存在感を増やしています。

東南アジア向け:Shopee・Lazada・Qoo10

Shopeeは出店自体の初期コストが低く、東南アジア全域で存在感を持つモールです。ただし前述の通り、2026年2月の手数料改定でシンガポール・マレーシア・フィリピンの手数料が軒並み引き上げられました。Lazadaも同様の傾向で、ファッション・雑貨カテゴリーに強みがあります。Qoo10はシンガポール発のプラットフォームで、ニッチカテゴリーで一定の存在感があります。手数料は改定が続くため、出店前に対象国の最新料率を必ず確認してください。

どの地域から始めるべきか

初めて越境ECに取り組む企業からは、「結局、最初はどの国から始めればいいのか」という質問をよく受けます。決まった正解はありませんが、当社の支援現場で目立つのは、商材の強みが最も伝わりやすい国・カテゴリーから着手し、反応を見てから他地域へ広げるという進め方。これが着実な成果につながっています。中国はブランド構築の投資対効果が読みやすい一方で初期の壁が高く、東南アジアは着手のハードルが低い分、価格競争に巻き込まれやすいという特徴があります。

台湾・香港・韓国向け

台湾では蝦皮(Shopee台湾)・樂天市場台湾・PChomeが主要な選択肢です。香港の代表的なモールはHKTVmall。韓国はCoupangやNaverが強く、言語対応と現地パートナーの確保が出店のハードルになりやすい市場です。

プラットフォーム 対象国・地域 初期費用の目安 保証金 販売手数料の目安 強い商材
Tmall Global(天猫国際) 中国 年会費5千〜1万米ドル程度(△要公式確認) 約2.5万米ドル程度(△要公式確認・2026年9月時点) カテゴリーにより変動 化粧品・食品・家電など信頼が要る商材
JD Worldwide(京東国際) 中国 個別審査 個別審査 個別審査 家電・日用品など物流品質を重視する商材
Amazon(大口出品プラン) 米国 月額39.99米ドル なし 8〜15%程度(カテゴリー別) 幅広い消費財
Shopee 東南アジア 出店自体は低コスト なし 国により異なる(例:シンガポール15.75%、マレーシア19.17%、フィリピン9.58%。2026年2月改定後) 低〜中価格帯の消費財
Lazada 東南アジア 出店自体は低コスト なし 国・カテゴリーにより変動 ファッション・雑貨

※本表の料金・手数料情報はすべて2026年9月時点のものです。プラットフォームの料金体系は改定が頻繁にあるため、出店前に必ず各社公式サイトで最新情報をご確認ください。

中国・米国欧州・東南アジア・台湾香港韓国の主要販売チャネル比較図
地域ごとに異なる主要な販売チャネル

【自社EC型】主要なカート・構築プラットフォームを比較

自社EC型はShopifyが世界的に広く使われており、管理画面は50以上の言語、130以上の通貨に対応します(同時に公開できる言語数はプランに上限あり)。国産SaaSのBASE・STORESは日本語サポートが手厚い一方、最大の落とし穴は「集客」です。自社サイトは作っただけでは人が来ず、集客の設計とセットで考える必要があります。

Shopify

Shopifyは月額29〜299米ドルのプラン体系です。管理画面が対応する言語は50以上ですが、ストアで同時に公開・翻訳できる言語数はプランにより上限があり、標準プランで約20言語、Plusなどの上位プランで約30言語程度とされています。通貨は130以上に対応しています(出典:ECメディア「Monex ECカタログ」2026年9月時点の情報)。テーマやアプリの選択肢が豊富で、越境EC構築の事実上のデファクトになっているプラットフォームです。自社のShopify Payments以外の決済手段を使う場合は、別途手数料が発生する場合があるため、決済まわりの設計は事前に確認してください。

国産SaaS(BASE・STORES)

BASEは初期費用・月額ともに0円で、決済手数料が3.6%+40円、加えてサービス利用料3%が目安です(出典:ECメディア「Monex ECカタログ」2026年9月時点の情報)。STORESも同様に、国内発の低コストなSaaS型ECとして知られています。どちらも国内向けの機能が中心のため、越境対応をする場合は多言語・多通貨・海外配送の機能範囲を事前に確認する必要があります。

LaunchCart・Adobe Commerceなど本格構築型

より本格的な越境EC構築を目指す場合は、LaunchCartやAdobe Commerce(旧Magento)のような、多言語・多通貨・現地決済への対応を前提に設計されたプラットフォームも選択肢に入ります。初期投資も相応に必要になるため、既に一定の売上規模がある企業向けの選択肢と言えます。越境ECをモール型で軌道に乗せたあと、モール依存から抜け出す目的でこうした基盤へ移行する企業も少なくありません。

自社EC最大の落とし穴=集客

「Shopifyで綺麗なサイトを作ったのに、まったく人が来ない」——JUTOUに寄せられる相談で驚くほど多いのが、このパターンです。自社ECは、いわば何もない砂漠に一棟のビルを建てるようなもの。集客の設計をセットで考えなければ、存在にすら気づかれません。決済方法が現地の主流と合わず、カートに入れた商品の半数以上が購入に至らなかったという声も聞かれます。サイト構築と広告・SNS集客は、切り離さずに同時に計画することが前提です。

プラットフォーム 初期費用 月額費用 決済手数料の目安 多言語・多通貨対応 向いている企業
Shopify 無料〜 29〜299米ドル 決済方法により変動 言語50以上(同時公開はプラン上限あり)・通貨130以上 海外向けに本格的に自社ECを育てたい企業
BASE 0円 0円 3.6%+40円+サービス利用料3% 国内向けが中心 国内メインで越境は補助的に考えたい企業
STORES 0円〜 プランによる プランにより変動 国内向けが中心 シンプルに国内ECを始めたい企業
LaunchCart/Adobe Commerce 相応の初期投資が必要 プロジェクトにより異なる 個別設計 多言語・多通貨に本格対応 一定の売上規模があり本格構築したい企業

モール型と自社EC型、結局どちらが得か?手数料と回収の実損益シミュレーション

モール型は「出店料+販売手数料(8〜20%)+モール内広告」、自社型は「カート+決済手数料+翻訳+集客広告」が実コストです。粗利率別の試算は2方式の単純比較であり、段階戦略が有利だと証明するものではありません。ただし当社の支援現場では、需要を見極めるためまずモール型から始める企業が多く見られます。

以下は、実際の支援データの集計ではなく、これまで紹介してきた各PFの公開されている手数料水準をもとに、前提条件を置いた試算モデルです。商材やPF、代行の有無によって実際の数値は変動します。

試算の前提条件

  • 想定月商:100万円(一定と仮定)
  • モール型:初期費用30万円、販売手数料15%、モール内広告費(対売上比)10%
  • 自社型:初期費用150万円、決済手数料3.6%、集客広告費(対売上比)25%、月額ツール利用料3万円
  • 本試算は販売手数料・決済手数料・広告費・ツール利用料・初期費用のみを反映した簡易モデルで、物流費・返品・在庫・人件費・税などは含みません
  • モール内広告費10%・集客広告費25%は、いずれも説明のための仮定値であり、実測値や業界相場ではありません

自社型の初期費用150万円は、前章で紹介した本格構築パターンの費用感(数十万〜200万円程度)の中央値付近を想定したものです。モール型の初期費用30万円は、保証金が必要な一部の中国モールを除いた、一般的な水準を想定しています。なお、本試算における「粗利率」は、これらの費用を差し引く前の売上総利益率を指します。

粗利率 モール型の月次残額(記載費用控除後) モール型の初期費用の単純回収期間 自社型の月次残額(記載費用控除後) 自社型の初期費用の単純回収期間
40% 15万円 約2ヶ月 8.4万円 約18ヶ月
60% 35万円 1ヶ月未満 28.4万円 約5ヶ月
80% 55万円 1ヶ月未満 48.4万円 約3ヶ月

粗利率が高い商材ほど、自社型でも早く投資を回収できる計算になります。逆に粗利率40%前後の商材は、自社型の回収に1年半程度を要する試算です。ただしこの試算は独立した2方式の単純比較で、モールから自社ECへの移行費用やリピート効果は含んでいません。そのため、段階戦略が有利だと数値で証明するものではありません。当社の支援現場では、粗利が読み切れない立ち上げ期にまずモール型で需要を検証し、リピートの兆しが見えてから自社ECへ広げる企業が多く見られます。

実際に「Shopeeに広告費50万円をかけたが、その後の手数料改定を考えると、思ったほど割に合わなかった」という声も聞かれます。一度の出店判断で終わらせず、手数料は”今後も変わりうるコスト”として、3年単位で見ておくと判断を誤りません。

▶ 自社の粗利率で回収を試算したい方は、無料の初期診断でご相談いただけます。

粗利率別にモール型と自社EC型の初期費用回収期間を比較した図
粗利率別の回収期間。記事内の前提に基づく試算

商材カテゴリ別・最適な越境ECプラットフォームの選び方

最適なプラットフォームは商材で変わります。化粧品は、跨境ECの枠組みと条件次第でNMPA登録が不要になる場合がありますが、一般貿易での輸入・販売には登録・届出が必要です。食品は規制と物流、アパレルは返品率とビジュアル訴求が選定の鍵になります。

化粧品。中国向けに化粧品を販売する場合、跨境EC(保税区モデルや直購輸入などの越境EC)の枠組みを使い、対象商品がポジティブリスト等の条件を満たすと、一般貿易で輸入する化粧品に必要となるNMPA(国家薬品監督管理局)への登録・届出が不要になるケースがあります。Tmall GlobalやJD Worldwideのような主要な越境ECモールは、この跨境ECの仕組みを利用できる点が強みです。ただし、免除されるかどうかは販売サイトの形態だけで決まるものではなく、適用される輸入制度と品目の条件によって変わります。プラットフォーム独自の審査や成分規制は、これとは別にかかります。一方、一般貿易のルートで中国国内へ輸入・販売する場合は、普通化粧品なら届出(备案)、美白・日焼け止め・染毛などの特殊化粧品なら登録(注册)が必要で、手続きには数ヶ月〜1年以上を要することもあります(出典:越境EC支援各社の公開情報、2026年9月時点。最新の適用条件は必ず一次情報でご確認ください)。当社の支援先でも、化粧品ブランドの多くはまず跨境ECの枠組みが使えるTmall Global経由で市場の反応を確かめ、そのうえでREDのKOL施策へ広げるという順番を取っています。中国市場全体の参入手順から確認したい方は、中国越境ECの始め方完全ガイドもあわせてご覧ください。

食品。賞味期限管理と検疫、成分表示の現地対応が前提になります。保税区出荷モデルに対応したモールを選ぶか、通関実務に慣れた代行の伴走が現実的です。

アパレル。他カテゴリーより返品率が高くなりやすく、返品ポリシーの設計が売上以上に重要になる場面があります。写真・動画によるビジュアル訴求力が問われるため、RED(小紅書)のようなコンテンツ発のプラットフォームとの相性が良い商材です。

雑貨・日用品。カテゴリーによっては検査・認証が必要になる場合があり、対象国の規制を出店前に確認する必要があります。

健康食品・サプリメント。化粧品と同様に、成分や機能性表示に関する規制の影響を受けやすいカテゴリーです。プラットフォーム選定と並行して、対象国の輸入規制を早い段階で確認しておくことが欠かせません。

カテゴリ 中国 東南アジア 米国・欧州 規制・注意点
化粧品 Tmall Global/JD Worldwide(跨境EC条件下でNMPA登録免除の場合あり) Shopee/Lazada Amazon(現地の化粧品規制を要確認) 一般貿易での輸入はNMPA登録・届出が必要になる場合がある
食品 保税区モデルのモールが無難 Shopee(賞味期限管理に注意) 検疫・成分表示の現地対応が必須 消費期限・添加物規制を事前確認
アパレル RED連動のモールが強い Shopee/Lazada(写真訴求が重要) Amazon/自社EC(ブランド訴求向き) 返品率が高くなりやすい
雑貨・日用品 Tmall Global/考拉海购 Shopee/Lazada Amazon カテゴリーにより検査・認証が必要な場合がある
健康食品・サプリメント 規制影響を受けやすくモール経由が無難 Shopee/Lazada Amazon(成分表示規制を要確認) 成分・機能性表示の規制を早期に確認

越境ECプラットフォーム選びでよくある失敗と回避法

最も多い失敗は「出店すれば自動で売れる」という誤解です。次いで「3ヶ月で撤退」「集客力だけでモールを選ぶ」「自社サイトを作っただけ」。いずれもプラットフォーム選定の前に自社の勝ち筋を決めれば回避できます。

「3ヶ月やって反応がなかったので撤退しました」——実際によく聞く話です。しかし越境ECの立ち上がりには、半年から1年ほど要することが珍しくありません。撤退の判断が早すぎるケースは、想像以上に多く見られます。

# 失敗パターン 主な原因 回避法
1 出店すれば自動で売れると思い込む 集客戦略の不在 出店前に集客チャネルと予算を確定させる
2 3ヶ月で「反応がない」と撤退する 越境ECの立ち上がりの遅さを見誤る 最低6〜12ヶ月の検証期間を先に確保する
3 集客力だけでモールを選ぶ 価格帯・見せ方のミスマッチ ターゲット国の価格相場・訴求を事前調査する
4 自社サイトを作っただけで満足する 集客設計の欠如 サイト構築と広告・SNS集客を同時に計画する
5 手数料の”今後の値上げ”を試算に入れない 短期の手数料水準だけで判断 3年単位で手数料改定リスクを織り込む
6 経験のないスタッフに丸投げする 越境EC特有の規制・物流知識の不足 立ち上げの3〜6ヶ月は専門家の伴走を検討する
7 楽天市場等の国内モールで「海外にも売れる」と誤解する 国内特化サービスの仕様理解不足 対応地域・機能を出店前に一次情報で確認する
8 商標を確認せずに出店してしまう 現地の商標登録状況を未確認 出店前に対象国での商標調査をおこなう

7番の例を補足します。楽天グローバルマーケットは2020年6月29日に終了しています(出典:業界紙報道、日本ネット経済新聞)。現在の楽天市場は基本的に国内向けのサービスで、海外販売を目指す出店者は「海外パートナー旗艦店」など別のサービス・提携先を個別に確認する必要があります。「楽天に出しているから海外にも売れているはず」という思い込みは、今も根強く残っている誤解の一つです。

表の8パターンを見返すと、根っこにある原因は共通しています。プラットフォームを選ぶ前に、先ほど挙げた5つの判断軸——商材・国・集客・手数料・リソース——のどれかを飛ばして意思決定してしまっていることです。経験のないスタッフに任せた結果、規制や商標まわりでつまずいたという相談も少なくありません。プラットフォーム選定の前に、まず自社の勝ち筋——誰に、何を、どの順で売るか——を決めることが、遠回りに見えて一番の近道です。


越境ECプラットフォームに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 越境ECはモール型と自社型どちらから始めるべき?

多くの場合、まずモール型で需要を検証し、リピートが見えてから自社ECを育てる段階戦略が現実的です。ブランド力が既にある企業は自社型から始める選択肢もあります。

Q2. 越境ECの構築費用はいくらかかる?

モール型は数万〜数十万円、自社EC型は数十万〜200万円程度が目安です(2026年9月時点。PF・商材により変動します)。

Q3. 越境ECの手数料の相場は?

モール型は出店料に加え販売手数料8〜20%程度、自社型は決済手数料数%に集客広告費が別途かかる構造です。

Q4. 中国向けの越境ECはどのモールがいい?

化粧品・食品などブランド信頼が要る商材はTmall GlobalやJD Worldwideが軸で、コンテンツ発信を重視するならRED連動の集客が有力です。

Q5. 東南アジア向けはShopeeとLazadaどっち?

国・カテゴリーで一長一短です。手数料は改定が続くため、出店前に対象国の最新料率を必ず確認してください。

Q6. 個人・小規模でも越境ECプラットフォームは使える?初心者はShopifyがいい?

個人・小規模でも利用できるプラットフォームは複数あります。初心者は情報量の多いShopifyか、まずモール型から始めるのが無難です。

Q7. 化粧品を越境ECで売るならどのプラットフォームがいい?

中国向けは跨境ECの枠組みと条件次第でNMPA登録が不要になる場合があり、Tmall GlobalやJD Worldwideはその仕組みを利用できます。一般貿易での輸入・販売は登録・届出が必要になる点に注意してください。

Q8. 楽天市場で海外に販売できる?

楽天グローバルマーケットは2020年6月に終了しており、現在の楽天市場は基本的に国内向けです。海外販売には別サービスの確認が必要です。


まとめ|プラットフォームは「自社の勝ち筋」から逆算して選ぶ

ここまで、越境ECプラットフォームをモール型・自社EC型・ハイブリッド型の3類型、そして商材・国・手数料・運用リソースの4軸で比較してきました。手数料の安さや知名度だけで選ぶと、半年後に「思っていたのと違う」となりやすいのが、この意思決定の難しいところです。特に手数料は一度決めたら固定ではなく、後から変わるコストだと知っているかどうかで、3年後の景色がまったく変わります。

プラットフォーム選定は一度決めたら終わりではなく、事業の成長段階に合わせて見直していくものです。この判断を自社だけで進めるのが難しいと感じる企業には、JUTOU株式会社を選択肢の1つに入れていただく価値があります。

JUTOUの3つの強み

  1. 特定のプラットフォームを自社運営していないため、中立の立場で提案できます
  2. 累計150社超、中国・東南アジア・欧米市場での支援実績があります
  3. 中国越境EC運営代行サービスとしてRED・WeChatのKOL活用まで、集客まで一気通貫で伴走します

料金体系の一例として、初回相談は無料です。個別のプラットフォーム選定支援や運営代行は、プロジェクトの規模に応じた個別見積りとなっています。

▶ 30分の無料相談で確認できること

  • 自社商材に合うプラットフォームの初期診断
  • 想定される初期費用・手数料の目安
  • モール型と自社型、どちらから始めるべきかの判断材料

▶ 無料相談を申し込む(24時間受付)

「情報が散乱していて、誰に相談していいかわからない」——そう感じている方にこそ、個別のご相談をおすすめします。150社の支援実績をもとに、御社の商材・市場・予算に合わせた現実的な初期プランをお伝えします。

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本記事について

  • 著者: 辻雄多郎(JUTOU株式会社 代表取締役)
  • 公開日: 2026-09-23
  • 最終更新: 2026-09-23
  • 情報出典: 経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」、GMO GlobalEC、ECメディア「Monex ECカタログ」、越境EC支援各社の公開情報、業界紙報道。詳細は本文中の出典表記の通り
  • 本記事の料金・手数料に関する情報は2026年9月時点のものです。プラットフォームの料金体系は改定が頻繁にあるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください
  • 本文中の損益シミュレーションは、公開されている手数料水準をもとに前提条件を置いた試算モデルであり、当社の支援実績の集計データではありません
  • 本記事はJUTOU株式会社の自社コンテンツであり、特定のプラットフォームからの提供・スポンサードは受けていません
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