5年間の越境ECの赤字から脱却。KOLやSNS運用コストの適正化で年間2,000万円削減。

目次

概要

中国向け越境EC事業に5年間取り組んでいた化粧品・日用品ブランド様に対し、運用コストの見直しと利益率改善を支援した事例です。

同社は、中国の大手ECモールである天猫(Tmall)や京東(JD.com)に出店し、現地TPに運用を委託していました。

売上高自体は順調に伸びていたものの、事業全体では赤字が続いていました。

その大きな要因は、KOL施策やSNS運用代行費用などのプロモーションコストが膨らみ、費用対効果が見えにくい状態になっていたことです。

自社内に中国EC運用のノウハウが十分になかったため、天猫の運用代行会社(TP)や広告代理店から提示される費用が適正なのかどうかを判断できず、コストがブラックボックス化していました。

そこで、KOL起用費用、SNS運用費、その他プロモーション費用を精査し、費用対効果の低い施策を見直しました。

その結果、年間2,000万円以上の無駄な越境EC事業コストを削減し、利益率の大幅な改善に貢献しました。


支援前の課題

1. 売上は伸びているが、赤字が続いていた

同社は中国向け越境ECに5年間取り組んでおり、天猫や京東といった大手ECモールで店舗を運営していました。

売上高自体は順調に増加していましたが、事業全体としては赤字が続いていました。

越境ECでは、売上が伸びるほど、広告費、モール内販促費、KOL費用、SNS運用費、TP費用なども増えやすくなります。

支援前の同社では、売上拡大に合わせて支出も膨らみ、結果的に利益が残らない構造になっていました。


2. TPへの依存により、コストがブラックボックス化していた

同社は、中国ECの運用を現地TPに委託していました。

現地運用を任せられること自体はメリットですが、自社内に十分なノウハウがない場合、TPから提示される施策や費用の妥当性を判断しにくくなります。

支援前は、以下のような点が不透明でした。

  • KOL施策の費用が適正か
  • SNS運用費が成果に見合っているか
  • 大型セール時のプロモーション費用が妥当か
  • どの施策が売上に貢献しているか
  • 削減しても影響の少ない費用はどれか

そのため、赤字が続いていても、どこから手を付ければよいのか分からない状態でした。


3. KOL費用の費用対効果が見えにくかった

中国ECでは、ダブルイレブンなどの大型セール時にKOLを起用することが一般的です。

しかし、KOL施策は高額になりやすく、必ずしも売上や利益に直結するとは限りません。

同社でも、KOL費用が大きな負担となっていましたが、その費用がどれだけ成果につながっているのかが十分に検証されていませんでした。

大型セールに合わせて施策を実施すること自体が目的化しており、費用対効果の視点が不足していました。


4. SNS運用費が成果と結びついていなかった

SNS運用についても、継続的に費用が発生していました。

しかし、投稿やアカウント運用が実際に購買やコンバージョンにどの程度つながっているのかが不明確でした。

SNSはブランド認知やファン形成に一定の役割を持つ一方で、運用コストが大きくなりすぎると、利益を圧迫する要因になります。

そのため、成果が不明確な費用については、見直しが必要でした。


支援内容

1. KOL起用コストの管理と見直し

まず、ダブルイレブンなどの大型セール時に発生していたKOL起用費用を精査しました。

KOLごとの費用、想定効果、実際の成果を確認し、継続すべき施策と見直すべき施策を整理しました。

費用対効果が低いKOL施策については、停止・縮小・条件見直しを提案。

必要な施策についても、過剰な費用にならないよう管理を徹底しました。


2. SNS運用コストの削減

次に、SNS運用代行費用を見直しました。

成果やコンバージョンとの関係が不明確な運用については、費用を削減。

一方で、ブランド維持や最低限の情報発信に必要な部分は残し、過度に削りすぎない形で最適化しました。

これにより、売上への影響を抑えながら、継続的に発生していたランニングコストを削減しました。


3. プロモーション費用全体の適正化

KOLやSNS以外にも、越境EC事業で発生していた多岐にわたるプロモーション費用を見直しました。

施策ごとに、以下の観点で整理しました。

  • 売上に直接貢献しているか
  • 利益率を圧迫していないか
  • 継続する必要があるか
  • 代替手段があるか
  • 費用を抑えても成果を維持できるか

そのうえで、無駄な費用を削減するための具体的な改善提案を行いました。


4. 自社側が判断できる管理体制づくり

今回の支援では、単にコスト削減を提案するだけでなく、自社側が今後も費用の妥当性を判断できるようにすることも重視しました。

TPや代理店にすべてを任せるのではなく、費用対効果を確認しながら意思決定できる状態を作ることで、再びコストが膨らむリスクを抑えました。


成果

1. 年間2,000万円以上の越境ECコストを削減

コスト削減提案を実行いただいた結果、売上を落とすことなく、年間2,000万円以上の無駄な越境EC事業コストを削減することに成功しました。

これは、KOL費用、SNS運用費、その他プロモーション費用を総合的に見直した成果です。


2. 利益率の大幅改善に貢献

売上が伸びていても赤字が続いていた状態から、コスト構造を改善することで利益率の改善に貢献しました。

売上を増やすだけでなく、利益を残すための運用へと切り替えられたことが大きな成果です。


3. TP任せの運用から脱却

これまでブラックボックス化していたTP費用やプロモーション費用を可視化したことで、自社側でも費用の妥当性を判断しやすくなりました。

これにより、TPに任せきりの状態から、より主体的に越境EC事業を管理できる状態へと近づきました。


成功のポイント

今回の成功要因は、売上ではなく「利益を残す構造」に着目したことです。

越境ECでは、売上が伸びていると事業が成功しているように見えます。

しかし、KOL費用やSNS運用費などが過剰になると、売上が増えても赤字が続く状態になります。

本事例では、KOL施策やSNS運用費を中心に費用対効果を見直し、無駄なコストを削減したことで、利益率改善につながりました。


まとめ

本事例では、中国向け越境EC事業に5年間取り組んできた化粧品・日用品ブランド様に対し、コスト構造の見直しと利益率改善を支援しました。

天猫や京東での売上は伸びていたものの、KOL費用やSNS運用費、TP費用が膨らみ、事業全体では赤字が続いていました。

そこで、プロモーション費用を精査し、費用対効果の低い施策を見直した結果、売上は維持したまま年間2,000万円以上のコスト削減に成功しました。

越境ECでは、売上拡大だけでなく、費用の透明化と利益管理が事業継続の鍵になることを示す事例です。

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